フィーチャーバイク – KTM 390/200/125DUKE
公開日:2016.11.23 / 最終更新日:2020.04.07
小粒ながらピリリと辛い、
新感覚ネイキッド
オーストリアのバイクメーカー、KTMが送るDUKEシリーズは、いずれも軽量コンパクトな車体にハイパワーなエンジンを搭載したスポーツネイキッドである。中でもスモールDUKEと呼ばれる390、200、125は、リーズナブルな価格設定ながら本格的な装備を持ち、幅広いライダーにKTMの名を浸透させたヒットモデルとして知られる。
初代DUKEが登場したのは1994年。608ccのオフロード車をベースとしたスーパーモタードで、ほぼオフロード専門だったKTMの意欲作だった。以降、DUKEは代を重ね、ネイキッドのスタイルに進化していく。
そして2011年、125DUKEがデビュー。2輪市場の活性化やアジアへの進出を視野に入れた同社初の世界戦略モデルで、WP製φ43mm倒立フォークやクロモリ鋼トレリスフレームなど125とは思えない豪華装備が話題に。クラス最強の最高出力15psや、キスカデザインによる尖ったフォルムも好評を博した。
翌年には車体構成を共通化しながら、水冷単気筒を200ccにスープアップした200DUKEがリリース。翌々年に待望の390DUKEが世に放たれる。125と同様の小柄な車体は、乾燥重量でわずか139kg。これに強力な44psを発生する専用設計の375ccシングルを搭載し、400cc4気筒を上回るダッシュ力と圧倒的な旋回性能を示す。とはいえ、挙動やレスポンスは穏やかで、万人に扱いやすい設定だ。
軽さとパワーの追求という、いかにもバイク好きが考えそうなマシンを具現化したスモールDUKE。KTMの信念である「READY TO RACE」を紛れもなく体現したシリーズである。
型式、年式ごとの特長
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390DUKE
2013年、スモールDUKE最後発で登場。DOHC4バルブヘッドの375cc水冷シングルは、200/125と異なる新設計で、単体重量はわずか36kgに過ぎない。シャーシは基本的に現行125と共通だが、390のみフレームがオレンジに粉体塗装されるのが特徴。前後のWP製サスは、増大したパワーに合わせ、専用セッティングが施される。
乗り味は実に軽快で、軽さを活かした自由自在なハンドリングが際立つ。ショートストローク設定のエンジンは、3000rpm以下のトルクが細いものの、以降はトルクが増し、7000rpm付近からさらに伸び上がる。シングルながら高回転域まで頭打ち感の少ない特性だ。ABSは標準装備でキャンセルもできる。
2015年には390をベースにした250ccが追加されている。
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200DUKE
125に続き、2012年にデビュー。125をベースに、199.5cc水冷DOHC4バルブ単気筒を搭載する。125がボア58×ストローク47.2mmなのに対し、200は72×49mmに変更。最高出力は26psを発生する。
走りは、125より一段とゼロ発進が力強く、中低速トルクもアップ。ハイスペックな車体に対し、125ではいささかパワーが物足りないと感じたライダーも満足できる仕上がりとなっている。高速道路を多用する場合は390、街乗りメインや維持費を抑えたい人は125、その中間に位置するバランス型のマシンが200や250となるだろう。
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125DUKE
クラスを超越したシャーシに、15psをマークするDOHC4バルブの水冷単気筒を搭載。50万円を切る価格ながら、チープさがないデザインも大いに話題を呼んだ。足まわりは、シリーズ共通の倒立フォーク+BYBRE製ラジアルマウントキャリパーに、前後17インチ、アルミダイキャスト製スイングアームを組み合わせる。
走りは、やはり高回転型で7000rpm以降の加速が圧巻。レブリミッターが作動する1万1000rpmまで伸び上がる。800mmのシート高と絞り込まれたシート形状により、足着き性も良好だ。なおスモールDUKEシリーズは、設計をKTM本社、生産をインドのバジャジが担当することで、低価格&高品質を実現している。
主要諸元
全長(mm) | 2,029 |
全幅(mm) | 836 |
全高(mm) | 1,267 |
シート高(mm) (200・125) | 800 (810) |
軸距(mm) | – |
乾燥重量(kg) (200)[125] | 139 (126)[118] |
エンジン | 水冷4スト単気筒 |
排気量(cc) (200)[125] | 375 (199.5)[124.7] |
最高出力 (200)[125] |
44ps/9,500rpm (26ps/10,000rpm)[15ps/10,500rpm] |
最大トルク (200)[125] | 35N-m/7,250rpm (20N-m/8,000rpm)[12N-m/8,000] |
タイヤ | F=110/70R17 R=150/60R17 |
※2013~2016モデル (200DUKEは2012~2016、125DUKEは2011~2016)
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■筆者プロフィール

沼尾宏明
1995年から2輪雑誌編集部に勤務し、後にフリーランスとして独立。
モットーは締め切り前納品で、旧車から最新の法改正、用品に至るまでジャンルを問わず幅広いバイク関連の知識を持つ。
1年半に及ぶユーラシア大陸横断という異色の経験もアリ。
1971年生まれ。