今月のフィーチャーバイク

VTR

万人に愛されるやさしさと懐の広さ

やさしく懐が広い。
伝統に育まれた250Vツインネイキッド

軽量コンパクトな車体に、扱いやすい特性の水冷Vツインを搭載した250ネイキッドがホンダ・VTRだ。
初代VTRのBA-MC33がデビューした1998年1月当時は、250にも過激な直列4気筒スポーツが存在したが、VTRは一転してユーザーフレンドリーなキャラクターで登場。抜群の足着き性をはじめ、低中速域で粘り強いエンジン、素直なハンドリングで、ビギナーからベテランまで幅広い支持を受けた。
実はエンジンの源流は、1982年に登場したVT250F(MC08)にまでさかのぼる。長年にわたって信頼性と乗り味を熟成した成果がVTRに活かされているのだ。一方、フレームは、トラス構造の鋼管パイプを新設計。これに、スイングアームピボットがフレーム本体にないピボットレス構造を組み合わせ、しなやかな操縦性やスタイリッシュな外観に貢献している。

2009年3月には、JBK-MC33にフルモデルチェンジ。国内の排ガス規制に対応し、燃料供給をキャブレターからFIに変更したほか、吸排気系やフレームを大幅に熟成した。外観もよりスポーティとなったが、扱いやすさと足着き性は一段と向上。2015年の今も現行モデルとしてロングセラーを続けている。

型式、年式ごとの特長

  • BA-MC33

    初代VTRは、キャブレター仕様で32psを発生する水冷DOHC4バルブV型2気筒を搭載。車体は、VTR1000Fファイアーストームの設計コンセプトを踏襲し、軽快な走りを実現するトラスフレーム+スイングアームを採用する。大径φ41mmのフロントフォークなど足まわりも250クラスを超えた充実ぶりだ。
    2000年2月には、排ガス浄化システムのAI(二次空気導入装置)を採用。2002年12月には、シート形状やサスの見直しなどで従来より20mm低いシート高760mmを実現し、足着き性をより向上させた。

  • JBK-MC33

    「ライトウェイトVツインスポーツ」を開発コンセプトにフルチェンジ。エンジンは新たにPGM-FIを採用し、最高出力は30psに。より滑らかなレスポンスを獲得した。シート高は先代と同じ760mmだが、シートレールの変更などで良好な足着き性に磨きをかけた。併せて、フレームの剛性も最適化されている。外観は、トラスフレームを踏襲しつつ、新設計の燃料タンクなどで、よりシャープな印象になった。
    2013年には、低回転域のレスポンスを増強したほか、サスセッティングを改良。2014年7月には、ラジアルタイヤが標準装備となった。さらに、シート高を15mmダウンしたVTR Type LDが追加されている。

  • VTR-F250

    2013年のマイナーチェンジと共に追加されたハーフカウルバージョン。カウルは後付けながら、トラスフレームとのマッチングは抜群で、Y字デザインのマルチリフレクターと相まって、一層のスポーティさを演出する。また、カウルはフレームマウントのため、フロントの軽快感も通常のVTR以上。もちろん高速道路での防風性も抜群だ。メーターは、専用設計の多機能な液晶パネルを備える。
    2014年には、VTRと同様、ラジアルタイヤを新採用したほか、リヤショックのセッティング変更で乗り心地の向上を図った。

主要諸元

()内は2014~、[]内はTypeLD(2014~)

全長(mm) 2,080
全幅(mm) 725
全高(mm) 1,055 [1,045]
シート高(mm) 760 (755)[740]
軸距(mm) 1,405
車重(kg) 161 (160)
エンジン 空冷4ストV型2気筒
 排気量(cc) 249
 最高出力 30ps/10,500rpm
 最大トルク  2.2kg-m/8,500rpm
 タイヤ  F=110/70-17 R=140/70-17 (F=110/70R17 R=140/60R17)

※2009~2016モデル

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■筆者プロフィール

沼尾宏明
1995年から2輪雑誌編集部に勤務し、後にフリーランスとして独立。
モットーは締め切り前納品で、旧車から最新の法改正、用品に至るまでジャンルを問わず幅広いバイク関連の知識を持つ。
1年半に及ぶユーラシア大陸横断という異色の経験もアリ。
1971年生まれ。