今月のフィーチャーバイク

小粒ボディにバイクの楽しみを凝縮

東南アジアを中心に、スタイリッシュな125ccを求める声が高まっていた2013年。GROM(グロム)がグローバルモデルとしてデビューを果たした。
「ジャストサイズ&魅せるスペック」を開発コンセプトに、外観はコンパクトながら、ボリューム感溢れるストリートテイストのデザインが特徴。車体は、新設計のスチール製モノバックボーンをはじめ、φ31mm倒立フォークや太めの前後12インチアルミホール+前後ディスクブレーキといった豪華装備が際立つ。エンジンは水平シリンダーのSOHC2バルブ空冷単気筒124ccで、クラッチ操作を伴う4段リターン式を採用しており、手軽にライディングの楽しさを味わえる。
2016年には、早くもスタイルを全面刷新。丸みを帯びた従来型に対し、シャープなデザインに生まれ変わった。これを決定付けているのが上下2灯式のLEDヘッドライトと六角形状のサイドパネル。特にLEDヘッドライトは、当時の125では珍しいアイテムで、小顔化を実現すると同時に、近未来的な雰囲気に一役買っている。

インプレに関しては、とにかく扱いやすさが光る。まずコンパクトな車体により足が接地しやすい。足着き性に不安を覚えるライダーは少ないだろう。ロングストローク設定かつトルク型のエンジンは、実に従順。ハンドリングもニュートラルで、常に一定の接地感があり、穏やかなピッチングとスムーズな舵角の付き方により安心してコーナリングできる。
直進安定性に優れる上に、乗車姿勢もゆったりしているのでツーリングにもOK。加えて豊富なカスタムパーツが用意され、自分だけの1台をつくる楽しさまである。小粒なボディに、バイクの魅力を凝縮した1台だ。

型式、年式ごとの特長

2013~2015年モデル

ポップなデザインと本格的な走りを両立するFUNバイクとしてデビューし、世界で大ヒットを記録。かわいげのあるフォルムに、倒立フォーク+ファットタイヤの力強いイメージが外観の特徴だ。
エンジンはPGM-FIに加え、低フリクション技術のオフセットシリンダー、ローラーロッカーアームの採用で燃費が抜群。角型断面の鋼管モノバックボーンフレームにより、高剛性としなやかな走りを実現する。
ヘッドライトは1個の光源で、ロー/ハイビームの切り替えを可能とするコンバインドプロジェクターを導入。特徴的なフロントビューを形成する。テールランプはLEDだ。生産はタイホンダが担当する。
ちなみに車名は「GROMMET」の短縮語。「若いサーファーやスケートボーダーなどエクストリームスポーツを楽しむ若者」を意味する言葉で、グロムのターゲットである若者層の道具、ファッションの一部として使って欲しいとの意味が込められている。中には、ポーランド軍の特殊部隊「GROM」を連想する人もいるようだが、無関係である。
全長(mm) 1,760
全幅(mm) 755
全高(mm) 1,010
シート高(mm) 750
軸距(mm) 1,200
車重(kg) 102(装備)
エンジン 空冷4スト単気筒
排気量(cc) 124
最高出力 9.8ps/7,000rpm
最大トルク 1.1kg-m/5,250rpm
タイヤ (前)120/70-12 (後)130/70-12

※2013年型

2016年モデル~

外観をリニューアルし、国内には2016年6月に登場。従来型のエンジンとシャーシはほぼそのままに、「ミニストリートファイター」のイメージを追求。かわいいシルエットから一転し、クールなロボット風の上下2眼LEDヘッドライトとシャープなフォルムを獲得した。
車体は、スイングアームピボットまわりの剛性としなりを最適化し、乗り心地や安定感を向上。さらにダウンマフラーによりマスの集中化も促進した。また、燃料キャップがヒンジ式となり、メーターにLEDバックライトを追加。ホンダ製バイクで初の折り畳み式キーを採用するなど、各部の機能性も向上している。
全長(mm) 1,755
全幅(mm) 730
全高(mm) 1,000
シート高(mm) 760
軸距(mm) 1,200
車重(kg) 104(装備)
エンジン 空冷4スト単気筒
排気量(cc) 124
最高出力 9.8ps/7,000rpm
最大トルク 1.1kg-m/5,250rpm
タイヤ (前)120/70-12 (後)130/70-12

※2016年型

■筆者プロフィール

沼尾 宏明
1995年から2輪雑誌編集部に勤務し、後にフリーランスとして独立。
モットーは締め切り前納品で、旧車から最新の法改正、用品に至るまでジャンルを問わず幅広いバイク関連の知識を持つ。
1年半に及ぶユーラシア大陸横断という異色の経験もアリ。
1971年生まれ。