今月のフィーチャーバイク

最新技術で追求した
CBの伝統と味わい

約60年もの歴史を誇る「CB」シリーズは、ホンダを象徴するビッグブランドの一つ。中でも2010年にデビューしたCB1100シリーズは、歴代CBのスタイルや乗り味を色濃く継承したモデルである。
開発キーワードは、「鷹揚」(おうよう)。「鷹が悠々と大空を舞うように、気持ちのライディングを楽しんで欲しい」との願いが込められている。美観と味わい深さを両立するため、環境規制には不利な「空冷直4」を敢えて新設計。現代の技術を用いて水冷エンジン並みの性能安定性を確保したほか、シリンダー吸気側のカムタイミングをずらすことで、旧車のようなテイストまでも実現した。ABSなしで100万円を下回る本体価格も手伝い、発売後は人気のCB1300すら上回るベストセラーを記録している。
そして2014年にはワイヤースポークホイールや2本出しマフラー、専用のタックロールシートなどを装備した、よりクラシカルなCB1100EXが追加。水平基調に磨きをかける新形状の燃料タンクも採用し、一段と人気が加速した。
環境規制が年々厳しくなる中、CB1100の存続も危ぶまれたが、2017年にモデルチェンジを敢行。排ガス規制に適合したほか、EXに新設計ホイールに与え、各部の質感アップを図るなど魅力をさらに増した。ホンダのCB1100に懸ける思いが窺える。

インプレッションとしては、年式を問わず、味わい深い走りが特長だ。低回転域から心地いい脈動感を味わうことができ、中速以降も急かされることがない。スロットルレスポンスは、右手の動きに忠実。しかも優しく、ストレスなくマシンを操れる。車体は鉄パイプフレームらしい大らかさがあり、安心感抜群。それでいて倒し込みが軽いため、「操る」感覚がしっかり楽しめる。
最新技術で、往年の名車のテイストを濃厚に満喫できるCB1100。近年のバイクで、これほど伝統を感じさせるモデルは、実に希有である。

型式、年式ごとの特長

2014~2016年型 CB1100EX

信頼性の高い1140cc空冷ユニットをφ38mmスチールパイプフレームに抱くCB1100。CB92やCB750フォア、CB400フォアなど各部に名車のエッセンスを取り入れたスタイルを持つ。さらに、ホンダ史上で最も薄い2mmの冷却フィンや、スチール製クロームメッキ仕上げの前後フェンダー、有機的な曲線を描くアルミパーツなど細部にもこだわりを見せる。
EXは、よりトラディショナルさを追求したファクトリーカスタムとして、2014年2月にデビュー。レトロなワイヤースポークホイールや、2本出しマフラーによる力強いサウンドが自慢だ。エンジンはSTDと同様、従来の5速から6速ミッションに変更し、燃費と高速走行時の静粛性をアップ。また、ギヤ段数や燃費表示を追加した新型メーターを採用している。元々足着き性は良好だったが、スリムな専用サイドカバーにより一段と足着き性が向上した。
全長(mm) 2,205
全幅(mm) 835
全高(mm) 1,130
シート高(mm) 785
軸距(mm) 1,490
車重(kg) 257(装備)
エンジン 空冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ
排気量(cc) 1140
最高出力 90ps/7,500rpm
最大トルク 9.3kg-m/5,500rpm
タイヤ (前)110/80R18 (後)140/70R18

※2014年型 CB1100EX

2017年型~ CB1100EX

2017モデルで初のビッグチェンジを実施。今や貴重な空冷直4は、新設計エアクリーナーなどで低速トルクの粘りと高回転域の伸びを向上し、アシストスリッパークラッチも新採用。最新の規制をクリアしつつ、重厚感を増したサウンドを楽しめる。タンクは丸みを帯びた新形状で、溶接痕が目立たないフランジレス仕様に変更。手作業で加工したアルミサイドカバー、素材感を活かしたトップブリッジなどで高級感も大幅にアップしたほか、配線に気を配るなど細部にまでクラフトマンシップが息づく1台に仕上がった。EXの特徴であるスポークホイールは、従来のメッキ48本スポークから、新たにアルミ製リム&ステンレス製40本タイプに。車重もトータルで5kgの軽量化が進められた。また、アップハンドルのType Iと、ローハンドルのType IIが設定されている。
全長(mm) 2,200
全幅(mm) 830
全高(mm) 1,130
シート高(mm) 780
軸距(mm) 1,490
車重(kg) 255(装備)
エンジン 空冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ
排気量(cc) 1140
最高出力 90ps/7,500rpm
最大トルク 9.3kg-m/5,500rpm
タイヤ (前)110/80R18 (後)140/70R18

※2017年型 CB1100EX Type I