ヤマハ&黒山、電動トライアルバイクで世界の頂点に再び挑戦!
公開日:2022.09.08 / 最終更新日:2022.09.06
2022 年FIMトライアル世界選手権・第5戦フランス大会(8月28日決勝)において、YAMAHA FACTORY RACING TEAMの黒山健一は電動トライアルバイク「TY-E 2.0」で、2022年よりガソリン車と電動車による混走で争われているTrial2クラスに出場した。
ヤマハと黒山は2018年、FIM トライアル世界選手権・第5戦フランス大会で記念すべき開幕戦となったTrialE(Electric)クラスに、同年の東京モーターサイクルショーで世界初公開された電動トライアルバイク「TY-E」で出場、初陣を優勝で飾った。翌2019年も電動トライアルバイクでの挑戦が続けられたが、僅差でランキング2位で終えている。
そんなTY-Eをベースに開発が進められ、「新設計のコンポジット(積層材)モノコックフレームに、メカニズムと制御の組み合わせで性能を向上した電動モーターパワーユニット、前モデル比で約2.5倍の容量を持つ新開発の軽量バッテリーを搭載」するというTY-E 2.0。フランス大会では「EVならではの力強い低速トルクや加速性能などの魅力を活かして”内燃機関を上回る楽しさ”を目指してきた『TY-E 2.0』の実力を確認するとともに、実戦を通したデータの獲得や課題の抽出など、さらなる開発に向けた情報収集を目的」としている。
比較対象となるエンジン車のマシンと共に、難易度の高い12セクションを2ラップする決勝では、2ラップ目の第7セクションでマシントラブルが発生。修復が困難だったため、残りのセクションをエスケープすることで完走、36台中(内、電動車はTY-E 2.0 含め2台)31位という結果で終えた。
黒山健一のコメント
「3年ぶりの世界選手権、グランプリ全体がヤマハに注目していることを肌で感じながら、世界レベルのライバルと真っ向勝負するのは、やはりいいものです。僕にとっては、前回とは比べ物にならないハイレベルなセクションを、一つでも多くTY-E2.0で攻略し、一つでも上位を走るというチャレンジでした。しかし、久々の世界選手権ということで、1ラップ目は私自身がバタバタしてしまいました。2ラップ目は落ちつきを取り戻したのですが、第7セクションでトラブルが出てしまい、最後まで走りきれなかったのは残念です。一方で課題は、クラッチの耐久性や、トラブルを見据えた整備性など明確になりました。モーターのトルクとパワーは十分で、車両トータルのパフォーマンスも高く、難しいと思ったところもほとんどがいける、戦えるバイクになっていました。これからも私たちのチャレンジは続きますので、全日本と合わせて期待していただけるとうれしいです」



