7月28日(木)から31日(日)、今年で第39回大会を迎えたバイク業界“夏の風物詩”、世界耐久選手権シリーズ・第3戦となる「鈴鹿8時間耐久ロードレース」(鈴鹿8耐)が三重県の鈴鹿サーキットで開催された。40年近い歴史の中で伝統的に開催時期は“真夏”と決まっており、猛暑がライダーやマシンに襲い掛かるという過酷この上ない特異なレース。そんな中、コースで戦う者と観客との一体感を生み、ゴール後に打ち上がる花火に見入るという毎年変わらない感動が、鈴鹿8耐が“夏の風物詩”たるゆえんである。

金曜日に公式予選が行われ、その中の上位10チームによって土曜日、1台ずつ1周の一発勝負に挑むTOP10トライアルでは、昨年のタイムを更新することは叶わなかったものの、2年連続で#21ヤマハ・ファクトリーがポールポジションを獲得。以下、#12 ヨシムラ スズキ、#87 Team GREEN(カワサキ)と続く。

決勝となる翌日曜日、8耐ウイークで気温が最も高くなった天候の下、午前11時30分にスタートしたレースを最初に引っ張ったのは#17 Team KAGAYAMA(スズキ)の清成龍一。鈴鹿8耐で4度優勝している彼を昨年の覇者、#21ヤマハ・ファクトリーの中須賀克行がぴったりマーク。1スティント終盤で清成を抜いてトップに立ち、徐々に差を広げていく。

優勝候補の1台、4番手からスタートした#5 TSR(ホンダ)は第1ライダーのドミニク・エガーターが6周目に転倒、ピットインを強いられ大きく順位を落とす。優勝候補のもう1台、#634ハルクプロ(ホンダ)はスタートで若干出遅れながら、第1ライダーの高橋 巧がファストテストラップを刻むペースで3位まで順位を上げる。

最初のライダー交代となるスタートからほぼ1時間、2位の#17 Team KAGAYAMAがピット作業のトラブルでタイムをロス、順位を下げる。3年連続表彰台を獲得している同チームだが、その後、タイヤのパンクにも見舞われ大きく順位を落とし、さらに追い上げの展開を強いられることに。

2位に浮上した#634 ハルクプロはマイケル・ファン・デル・マークのライディングでトップ追い上げ体制へ。そして今大会注目の選手、2006年MotoGPチャンピオンであり、2003年以来の鈴鹿8耐参戦となったニッキー・ヘイデンにライダー交代。どこまで追い上げるのか期待が高まるが、75周目に突入したところで突然ストップ。コースをショートカットしてマシンをピットに戻すが修復作業を断念、3度の優勝を誇るハルクプロにとって屈辱の2年連続リタイアとなった。レース中盤は#21ヤマハ・ファクトリーが順調にラップを重ねる中、#12 ヨシムラ スズキと#87 Team GREENによる2位争いが見どころに。

そして終盤になっても#21ヤマハ・ファクトリーは快走。ライダー、チーム、マシン共にほぼ完ぺきなレース展開によって、19時30分のゴールを迎え、見事な2連覇を達成。2位の#87 Team GREENはカワサキに2009年以来の表彰台をもたらした。3位は#12ヨシムラ スズキという結果であった。上位2チームの周回数は218で、二輪専用シケインが新設された2004 年以降では最多周回数記録となった。

鈴鹿8耐で常勝を誇ったホンダ勢はベースマシンの旧態化も否めず、主力チームの脱落により歴史的惨敗。昨年の鈴鹿4耐を制したザクゥアン・ザイディ/ディマス・エッキー・プラタマ 組の#22 Honda Team Asia の8位が最高位だった。スタート早々の転倒によって最後尾まで順位を下げた#5 TSRは激しい追い上げによってゴールまでに18位までポジションを挽回。また#17 Team KAGAYAMAも追い上げによって6位入賞を果たしている。

今年は規則の変更により、EWCクラスにおいて予選から本戦までに使用できるタイヤ本数の上限が20本(SSTクラスは13本)と少なくなったことで、タイヤ・マネージメント戦略にも注目が集まった。4つのメーカーがタイヤの供給を行っている中、ブリヂストンは今回の結果により鈴鹿8耐11連覇に加え、5度目の表彰台独占達成となった。

●最終結果(順位・No・チーム・ライダー・マシン・タイヤ・周回数)

1位 #21 YAMAHA FACTORY RACING TEAM
●中須賀克行/P.エスパルガロ/A.ローズ
●ヤマハYZF-R1 ●ブリヂストン ●218

2位 #87 Team GREEN
●柳川 明/L.ハスラム/渡辺一樹
●カワサキZX-10R ●ブリヂストン ●218

3位 #12 YOSHIMURA SUZUKI Shell ADVANCE
●津田拓也/J.ブルックス/芳賀紀行
●スズキGSX-R1000L6 ●ブリヂストン ●217

4位 #7 YART YAMAHA-OFFICIAL EWC TEAM
●B.パークス/野左根航汰/藤田拓哉
●ヤマハYZF-R1 ●ピレリ ●214

5位 #32 Moto Map SUPPLY
●J.ウォーターズ/青木宣篤/今野由寛
●スズキGSX-R1000 ●ブリヂストン ●214

6位 #17 Team KAGAYAMA
●加賀山就臣/浦本修充/清成龍一
●スズキGSX-R1000 ●ダンロップ ●213

7位 #01 エヴァRT初号機 TRICKSTAR
●出口 修/井筒仁康/E.ニゴン
●カワサキZX-10R ●ダンロップ ●213

8位 #22 SatuHATI. Honda Team Asia
●M.Z.ザイディ /D.E.プラタマ
●ホンダCBR1000RR ●ブリヂストン ●212

9位 #18 ミストレーサ with ATS
●中津原尚宏/小林龍太/関口太郎
●ホンダCBR1000RR ●ブリヂストン ●212

10位 #90 au&テルル・kohara RT
●D.カドリン/大久保 光/秋吉耕佑
●ホンダCBR1000RR ●ダンロップ ●212

■筆者プロフィール

Bike Life Lab supported by バイク王
~バイクがあれば もっと楽しい~
すべてのライダーに贈るバイクコンテンツサイト「Bike Life Lab」では、お役立ちコラムからおすすめバイクロード、Bike Life Lab研究員によるお楽しみコンテンツまで幅広く掲載中。